首相選び

ミンミンと政策のなき空騒ぎ短き命人は皆知る
夏の終わりはミンミンゼミが騒がしい。東京の下町でも、まばらに木の生えている場所がある。そこには朝早くから蝉の鳴き声が聞こえ、結構うるさい時もある。土の中に何年も暮らし、地上に出てからは一週間足らずの短い命を、精一杯生き抜く。
ちょうど夏の終わりの今、民主党の代表者選び、すなわち即日本の首相選び、が進行している。立候補した人のうち誰が首相として相応しいビジョンや力量を持っているか、ということはあまり聞こえてこない。聞こえてくるのは、数合わせが主体で、世論の人気とか、仲間(部下)をたくさん持っている党員資格のない議員の顔色を窺ったりとかで、肝心の、それぞれの候補者の政策がどのようなものか分からない。しかも、立候補告示から選挙まで2〜3日では政策を披歴する時間もない。
もっとも、この選挙は国会議員のみで国民は参加できないのだから、そんなこと必要ないと言われればそれまでですが。今までの、震災に対する処置、原子力発電所の事故に関する情報の国民への発表を見れば、国民の命に関することや財産に関することでも『パニックを起こすといけないから』と抑え込んでしまったりしていることを考えれば、「お前たち無知な国民どもに知らせる必要など少しもない」と思っているでしょう。民主党の議員様たちは。
“蟹は自分の甲羅に合わせて穴を掘る”とか“人は、他人も自分の考えていると同じように考えている、と思っている”とかいわれますが、あの災害にあったら、議員の先生たちはパニックを起こして、他人などそっちのけで列に並ばず我先にとバスに乗ったり支援物資を奪い合ったり、物がなければ店を襲ったりしてしまうんでしょうかね。
東日本大震災津波による未曽有の被害、さらに、人災による原発事故での大災害(故郷を失った年月、風評被害まで加えたらどのくらいの被害になるのか見当もつかない)などどこ吹く風(もう五カ月以上たっているのに復興事業はほとんど進んでいない)。外交も全く停滞してしまっていても、そんなの関係ない。何しろ数集め。国民への説明や理解を得るよりも○○詣でが大事。
前の自ミン党政権とどこが違うのだろうミン主党政権は。
日本の総理大臣は一年と持たない短命という事は国民は皆知っている。もっとも、世界中でも知られていて、アメリカの格付け会社ムーディーズが日本国債の格付けを一段引き下げた理由の一つに、首相がコロコロ変わることを挙げている。