子どもと官僚

直球を打ち返せずに逃げ回り時間が来ればそれでかんりょう  

8月17日、福島の小・中学生が原子力災害対策本部や文科省の担当者らに公開で質問をしているニュースをテレビで見た。官僚という人たちは、子ども時代がなかったのだろうか。外で友達と遊んだり、喧嘩したり、泣いたり、笑ったり。
福島の子どもたちのストレートで真剣な質問にも、何人もいる中で誰が答えてよいのかもわからず、さらに答える人は、責任は絶対にとりません、揚げ足も取らませんというようなまったく見当違いの国会答弁のような、無味乾燥で質問内容をはぐらかすような答弁をしていた。
子どもたちに、聞いている質問について答えて、といわれても、『やっていません』という事を言う時に使われる慣用句『最大限努力をしています』という、これまた国会答弁のような答え。
最後には、失望と呆れとさげすみの目で見られていた。また、子どものいう事が分からないのは子どもの時に勉強してなかったのではないか、といわれる始末。
子どもたちに教えてあげたい。答弁してくれた小父さんたちは、子どもの時に外で友達と遊んだりせずに一所懸命勉強だけはしたので、官僚というあんなに偉い人になれたのです。皆さんも、外で遊べないなんて不平不満を言わずに一所懸命勉強だけに励みなさい。そうすると、責任は取らずに給料だけは取れる立派な官僚になれるから。
でも、質問していた福島の子どもたちは、絶対に官僚にはなりたくない、と思ったのではないでしょうか。外で思いっきり友達と遊んだり喧嘩したり、虫を捕まえたりしたいでしょう。そして、自分の行動と言論には責任をとれる大人になりたい、と思ったのではないでしょうか。